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子どものとびひに要注意!簡単な症状チェックと5つの対処法

子どもの顔や手足に小さなブツブツや水ぶくれがーーそれは、もしかしたら「とびひ」かも?

とびひ(伝染性膿痂疹)は、患部を掻くと体中に広がり、他の人に感染することもあります。この記事では、とびひの症状、原因、受診のタイミングや家庭でできる対処法、予防策まで、保健師監修のもと分かりやすく解説します。

<この記事でわかること>

  • とびひのタイプ(2種類)と主な症状
  • すぐにできる対処法と予防法
  • 注意したい年齢や流行時期
  • 登園の目安

いざという時に落ち着いて対応できるよう、ぜひ最後まで読んでとびひの基礎知識を身につけておきましょう。

公開日 2025.06.24
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この記事を監修いただいた専門家
保健師シホさんのイメージ画像

保健師 シホさん

10年以上にわたり自治体保健師として感染症や母子保健などの業務に従事し、多くの住民に寄り添い支援を行う。他にも、病院看護師としての臨床経験や学校保健師としての業務経験など、幅広く公衆衛生に従事する経験を持つ。現在、一人娘を育てながら、ICTを使ってより多くの人々の健康支援に寄与できるよう、育児コラムの編集・監修などにも活動を広げている。趣味は映画鑑賞。

子どもの「とびひ」こんな症状に要注意

子どもの肌に水ぶくれ、もしくは厚いかさぶたがあったら、もしかすると「とびひ」かもしれません。

とびひの症状は、主に以下の2つのタイプに分けられます。どちらのタイプも、患部を掻いてしまうと、数日から10日ほどで周囲の皮膚や水ぶくれの液が触れた部位に広がりやすいため、注意が必要です。

とびひができてかゆそうにしている子どものイラスト

水ぶくれができるタイプ

水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)

水ぶくれの湿疹のイラスト
  • とびひの多くはこのタイプ
  • 最初は赤みを帯びた小さなブツブツができ、すぐに水ぶくれになる
  • 水ぶくれは破れやすく、破れると皮膚がただれた状態になり、黄色いかさぶたができる
  • 顔、特に鼻や口の周り、手足などによく見られる
  • 強いかゆみを伴うことが多い
黄色ブドウ球菌のイラスト

原因菌:黄色ブドウ球菌

かさぶたができるタイプ

痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)

厚いかさぶたのイラスト
  • 厚いかさぶたが特徴(水ぶくれができない)
  • のどが腫れるなどの症状を伴うこともある
  • 発熱やリンパ節の腫れが見られることもある
溶血性レンサ球菌のイラスト

原因菌:溶血性レンサ球菌


とびひの原因菌は、実は健康な人の皮膚や鼻の穴などにも存在している常在菌です。しかし、皮膚に傷ができたり、免疫力が下がったりすると、悪さをして感染症を引き起こします。


とびひかも?と思ったら、すぐにできる対処法

医療機関を受診する

できるだけ早く、皮膚科または小児科を受診しましょう。その際、事前に患部を手で触れないようにガーゼ等で保護しておくと安心です。自己判断で市販薬を使用せず、専門医の診断を受けましょう。

腕を医師に診察してもらっている女児のイラスト

治療は主に外用薬(ぬり薬)が用いられます。症状が広範囲に及ぶ場合や、重症の場合は、飲み薬や点滴が必要となることもあります。


自宅でできる5つの対処法
①皮膚を清潔に保つ

1日1回以上、泡立てた石けんでやさしく洗い、よく洗い流しましょう。
発熱がなければ入浴してかまいませんが、湯舟にはつからず、シャワー浴にしましょう。きょうだいがいる場合は、患児の前にシャワーを済ませておくのがおすすめです。

身体をあらってもらっている女児のイラスト
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②患部を保護する

掻きむしりによる悪化や、他の場所への感染を防ぐため、医師の指導に従って塗り薬やガーゼで患部を覆う等の手当を行いましょう。

腕の患部をガーゼで保護しているイラスト

③爪を短く切る

子どもが掻きむしらないように、日頃から爪は短く清潔に保ちましょう。

爪を短く切っているイラスト
ピジョン 新生児つめきりハサミ
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④タオルやおもちゃの共有を避ける

家族内での感染を防ぐため、タオルや衣類、おもちゃなどは共有せず、個別に使うようにしましょう。

タオルを一緒に使っている2人の子どものイラスト
ループ付き 6重ガーゼタオル
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⑤こまめな手洗い

家族全員でこまめに手洗いをする習慣をつけましょう。

石鹸を泡立てて手を洗っているイラスト

とびひって、そもそもどんな病気?

とびひは、主に皮膚にできた小さな傷や虫刺され、湿疹などに細菌が感染し、増えることで起こる皮膚の感染症です。正式名称は「伝染性膿痂しん(でんせんせいのうかしん)」で、子どもに多く見られます。
「とびひ(飛び火)」という名前が示す通り、患部を引っかいたり掻きむしったりした手で、周りの皮膚や離れた場所の皮膚に触ると、あっという間に広がってしまうのが特徴です。そのため、子どもにとびひが疑われる症状が見られたら、落ち着いて対処しましょう。

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とびひが感染しやすい年齢と時期

とびひの感染が多くみられる年齢

とびひは乳幼児から小学校低学年くらいの子どもに多く見られます。特に、皮膚がデリケートで免疫力もまだ十分でない1歳〜6歳ごろがピークとされています。

赤ちゃんから6歳くらいの女の子のイラスト

とびひの流行時期

とびひは、汗をかきやすく虫刺されや湿しんができやすい夏場(6月〜9月頃)に多く発生します。ただし、他の季節にも発生する可能性があります。


とびひになったら保育園・幼稚園は休むべき?

気になる登園・登校の目安は…

とびひは、学校保健安全法で出席停止の対象にはなっていません。しかし、感染力が強いため、保育園や幼稚園、学校への登園・登校には注意が必要です。

患部に外用薬を塗ってガーゼ等で覆い、露出していなければ登園・登校が可能なケースもあります。しかし、自己判断せずに、必ずかかりつけ医と園や学校に相談し、指示に従いましょう。


プールで感染する?

とびひは、プールの水を介しては感染しません。しかし、患部を掻くことで悪化したり、他の子と肌が接触する機会が増えたりするため、患部が治癒するまではプールや水遊びは控えたほうがいいでしょう。

ビニールプールで遊んでいる男児と女児のイラスト

とびひを防ぐために事前対策を

とびひは接触感染で広がるため、日頃からの予防がとても大切です。

こまめな手洗い

外から帰った時や、食事の前など、こまめな手洗いを家族全員で習慣にしましょう。

手洗いソープで手を洗っているイラスト
鼻の穴や周囲は触らない

鼻の入り口には、とびひの原因菌がたくさんいます。子どもが無意識に鼻を触らないよう、できるだけ優しく声かけをしてあげましょう。

鼻をいじっている男児に優しく声をかけているママのイラスト
肌トラブルの早期対処

虫刺されやあせも、湿疹など、皮膚の小さな傷から菌が侵入しやすいです。肌トラブルを放置せず、早めにケアをしてあげましょう。アトピー性皮膚炎など、もともと肌が弱い子どもの場合は、虫刺されを予防したり、日頃から保湿ケアをしっかり行ったりなど、皮膚のバリア機能を高めておくことが大切です。

虫よけスプレーをしてもらっている女児、体にローションを塗ってもらっている赤ちゃんのイラスト
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肌を清潔に保つ

特に子どもは汗をかきやすいので、夏場はこまめにシャワーを浴びたり、着替えたりして肌を清潔に保ちましょう。

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※本記事は日本小児科学会「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」( https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=46 )、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)(2023(令和5)年5月一部改訂)」( https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/cd6e454e/20231010_policies_hoiku_25.pdf )、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A とびひ」( https://www.dermatol.or.jp/qa/qa13/index.html )をもとに、株式会社エヴォルブド・インフォが作成しています。
※子どもの体調不良や症状が現れた際には決して自己判断をせず、かかりつけの医師にご相談ください。
とびひは子どもによく見られる皮膚の感染症で、かゆみやかきむしりによって感染が広がるのが特徴です。早めに対応すれば重症化を防ぐことができるので、普段からのスキンケアや予防意識が、家族みんなを守る第一歩になりますよ。何か気になる症状があれば、すSぐに皮膚科や小児科で相談してくださいね。
(こそだてDAYS編集部)
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