Hib(ヒブ)ワクチンの予防接種スケジュールは?いつから打てる?【保健師監修】
ひぶわくちん
更新日 2024.04.17
公開日 2023.05.17
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イラスト・ずんこさん
ずんこさん
対象期間
(五種混合ワクチン)生後2か月から生後90か月に至るまでの間に計4回接種
費用・価格
定期接種の場合は無料/任意接種の場合は全額自己負担
Hib(ヒブ)ワクチンは、Hib(インフルエンザ菌b型)による感染症を予防するワクチンです。五種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、Hib)に含まれ、生後2か月から生後90か月に至るまでの間に全4回、定期接種することが推奨されています。ワクチンの概要、接種時期、対象、回数、副反応についてご紹介します。【保健師監修】【マンガ解説】

マンガ「ヒブワクチン(インフルエンザ菌b型)」

生後3か月~5歳の赤ちゃんや子どものインフルエンザ菌b型の感染を注意喚起するおまめちゃんの漫画イラストヒブとは何か解説するおまめちゃんの漫画イラストヒブの感染により中耳炎、肺炎、細菌性髄膜炎を発症する可能性について解説するおまめちゃんの漫画イラストヒブによる髄膜炎は年間400人が発症していることを説明するおまめちゃんの漫画イラストヒブワクチンは五種混合ワクチンに含まれます、初回接種で3回、追加接種で1回接種します、と予防接種スケジュールを説明する育児用語を解説するおまめちゃんの漫画イラストヒブワクチン接種による副反応の症状を説明するおまめちゃんの漫画イラストたくさんの予防接種スケジュールを上手に立てて忘れないようにしていきましょうね!と話す育児用語を解説するおまめちゃんの漫画イラスト

Hib(ヒブ)ワクチンとは?

Hib(ヒブ)ワクチンとは、Hib(ヒブ=インフルエンザ菌b型)による感染症(細菌性髄膜炎、喉頭蓋炎等)を予防するワクチンです。五種混合ワクチンの予防接種を受けることにより、Hib(ヒブ)に対する抗体ができ、かかりにくくなります。

Hib(ヒブ)とは、「ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型」という細菌の略です。インフルエンザ菌は7種類に分類されますが、b型に重症例が多いため、ワクチンとしてこのb型が使われています。Hibワクチンは2008年12月に接種できるようになり、日本では2013年4月から定期接種になりました。さらに、2024年4月からは定期接種の五種混合ワクチンの中に含まれるようになりました。

冬場に流行するインフルエンザ(流行性感冒)の原因微生物となるインフルエンザウイルスとは異なります。

Hib(ヒブ)ワクチン接種の費用

定期接種の対象期間中は無料で受けられます。それ以外の期間は任意接種となり、全額自己負担で接種することになります。

Hib(ヒブ)ワクチンの接種時期・スケジュールなど

Hibワクチンは、2024年4月に五種混合ワクチンへ加わったため、はじめて予防接種をする場合は、基本的に単体でHibワクチンを接種することはなくなりました。
五種混合ワクチンの詳しい情報は、以下の記事よりご確認ください。


Hib(ヒブ)ワクチンを単体で接種する場合

生後2か月~5歳の誕生日前日まで接種できます。標準的なスケジュールでは、4~8週間隔で3回、3回目から7か月以上あけて4回目を接種します。初回の接種月齢・年齢(生後2か月〜7か月までに開始できなかった場合、1歳以上5歳未満の場合)によって接種間隔・回数が異なります。

ワクチンの種類・接種方法

Hib(ヒブ)ワクチンの種類は不活化ワクチンで、接種は通常、皮下注射で行なわれます。

同時接種できるワクチン

Hib(ヒブ)ワクチンと同時接種できるワクチンの組み合わせや本数に制限はありませんが、スケジュール上、同時接種しやすいのは次のワクチンです。

  • 生後2か月
    小児用肺炎球菌 / B型肝炎 / ロタウイルス / 四種混合
  • 生後3か月
    小児用肺炎球菌 / B型肝炎 / ロタウイルス / 四種混合
  • 生後4か月
    小児用肺炎球菌 / ロタウイルス(5価) / 四種混合
  • 1歳
    小児用肺炎球菌 / 四種混合 / MR / おたふくかぜ / みずぼうそう

副反応

Hib(ヒブ)ワクチンの主な接種部位の副反応として、注射部位の発赤・腫脹(はれ)・硬結(しこり)・疼痛(とうつう)などがあり、注射部位以外の副反応として不機嫌・食欲不振・発熱などがみられています。副反応のほとんどは接種後2日後までに発現し、その後3日以内にはなくなります。重い副反応については、ショック・アナフィラキシー様症状、けいれん、血小板減少性紫斑病(しはんびょう)などの副反応が、まれに生じる可能性もあります。

Hib(ヒブ)感染症とは?

ヒブの感染により中耳炎、肺炎、細菌性髄膜炎を発症する可能性について解説するおまめちゃんの漫画イラスト

Hib(ヒブ)感染症とは、Hib(ヒブ=インフルエンザ菌b型)の感染により起こる病気です。代表的なものとして、細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎などがあります。感染すると中耳炎や肺炎をおこすことがあり、まれに脳や脊髄を包む髄膜やのどの奥などに炎症を起こします。細菌性髄膜炎は脳に後遺症が残ったり、場合によっては死亡することもあります。

Hib(ヒブ)感染症の原因と感染経路

主に飛沫感染により感染します。

5歳未満の乳幼児期に気をつけたい理由

Hib(ヒブ)による髄膜炎は5歳未満の乳幼児がかかりやすく、生後4か月~1歳までの乳児が過半数を占めます。年間約400人が発症し、そのうちの約11%が予後不良と推定されています。予防のためには、ワクチン接種を生後2か月~7か月の間に始めることが効果的です。

まとめ

Hib(ヒブ)ワクチンは、細菌性髄膜炎を含むHib(ヒブ)感染症を予防します。細菌性髄膜炎は乳幼児の死亡例も少なくないため、Hib(ヒブ)への感染予防のために必ず接種したいワクチンのひとつです。Hibワクチンは定期接種で受けられる五種混合ワクチンに含まれますので、計画的に予防接種を進めましょう。


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保健師・SHIHOさん
保健師・SHIHO
10年以上にわたり自治体保健師として感染症や母子保健などの業務に従事し、多くの住民に寄り添い支援を行う。他にも、病院看護師としての臨床経験や学校保健師としての業務経験など、幅広く公衆衛生に従事する経験を持つ。現在、一人娘を育てながら、ICTを使ってより多くの人々の健康支援に寄与できるよう、育児コラムの編集・監修などにも活動を広げている。趣味は映画鑑賞。
ずんこさん
ずんこ
タイ在住の日本人漫画家、イラストレーター。 日本でマンガ家アシスタントなどを経験後、シンガポールのローカルアートスクールにてマンガの描き方を教える。現在はタイ・バンコクを拠点にマンガ・イラストの制作をしている。他にも、シンガポールやベトナムのイベントに、マンガ風似顔絵ブースで参加をするなど、マンガを通してさまざまな人達と交流していきたいと活動を広げている。
参考文献
日本小児学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 」
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=138 (最終閲覧:2024.04.15)

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