

- 対象期間
- 子どもが卒乳・断乳するまで
- 費用・価格
- なし
※母乳外来や搾乳した母乳を飲ませるのに必要な哺乳瓶は別
マンガ「授乳(母乳)」
































母乳のあげ方
出産後、ママや赤ちゃんの体調に問題がなければ、出産当日や翌日に初めて赤ちゃんに母乳をあげることになります。でも、初めての授乳は分からないことだらけ。母乳をあげるときの手順を説明します。

乳房の状態をチェックしましょう
授乳前に、お乳のまわりを少し揉んで柔らかくしておきます。乳房が張っていると、赤ちゃんが吸いつきにくくなってしまうためです。事前に少しだけ絞り、乳首のまわりが柔らかくなると赤ちゃんが飲みやすくなります。

授乳の姿勢を整えましょう
準備ができたら、赤ちゃんを抱っこして母乳を飲ませましょう。
1回の授乳時間は、左右の乳房で計20分程度がひとつの目安です。赤ちゃんが欲しがるときはもっとあげても構いません。また、新生児期はまだ吸う力が弱いので、1回の授乳時間をもう少しだけ長めにして、じっくりと飲ませてあげてもいいでしょう。
赤ちゃんにげっぷをさせましょう
母乳と一緒に飲み込んだ空気により吐き戻しをすることがあるため、げっぷをさせて空気を出してあげましょう。赤ちゃんをママの肩にもたれかけるように抱いて、背中をトントンとやさしくたたいたり、さすったりしてげっぷをさせます。


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授乳後のお手入れをしましょう
赤ちゃんが母乳を飲み終わったら、清浄綿やガーゼを使って口まわりや口内をきれいに拭いてあげましょう。ママの乳首に飲み残しのかすがあると乳管に詰まってしまうことがあるため、ていねいに拭き取ります。
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授乳の姿勢、体勢
授乳を無理なく続けていくコツは、赤ちゃんの状態はもちろん、ママの体調も踏まえて、負担が少ない体勢をとっていくことです。いくつかの授乳の姿勢を紹介します。
姿勢の共通ポイント
- ママの姿勢は、赤ちゃんに対して前のめりにならないこと
- 赤ちゃんの頭と首がぐらつかないように支えてあげること
- 赤ちゃんの身体がねじれたり、曲がっていない姿勢であること
横抱き(クレードル)

- 向いているママ・赤ちゃん
- すべてのママ・赤ちゃん(一般的な授乳姿勢)
- 授乳方法
- 赤ちゃんをママの胸の高さに抱き、ママと赤ちゃんのおなかを向かい合わせて密着させる
- 赤ちゃんの頭は、飲ませる側の乳房と同じ側の腕で支える
- 空いている手で、赤ちゃんの背中とお尻を支える
交差横抱き(クロスクレードル)

- 向いているママ・赤ちゃん
- 授乳開始直後でまだ慣れていないママや赤ちゃん
- 授乳方法
- 横抱きとほぼ同じで、飲ませる側の乳房と反対側の手・腕を使って支える姿勢です。
- 手で赤ちゃんの頭と首を支える
- 腕で赤ちゃんの背中からおしりにかけて支える
- 空いている手で、飲ませる側の乳房を下から支えるようにする
わき抱き(フットボール抱き、ラグビー抱き)

- 向いているママ・赤ちゃん
- 帝王切開後のママ・吸う力が弱い赤ちゃん・双子の赤ちゃん
※乳房の外側や下部の飲み残しを吸いやすくなる姿勢のため、お乳の溜まりを解消するのにも適している
- 授乳方法
- 横抱きの状態から、赤ちゃんをママの脇に向けてスライドさせたような姿勢になります。
- 飲ませる側の乳房と同じ側の腕で、脇に赤ちゃんを挟むイメージで抱っこする
- 腕で体を支え、手は頭と首を支える
- 空いているほうの手で、乳房を支える
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縦抱き

- 向いているママ・赤ちゃん
- 腰痛があるママ・吐き戻しが多い赤ちゃん
※片方の手で頭と首を支えることで新生児期でも行える
- 授乳方法
- 赤ちゃんが乳首を深くくわえやすく、ママも比較的楽に授乳できる姿勢です。
- 赤ちゃんをママの太ももや骨盤に座らせる
- ママは座った姿勢で、赤ちゃんの鼻が乳首の高さにくるように支える
添え乳(添い乳)

- 向いているママ・赤ちゃん
- 夜間授乳や寝かしつけの負担を軽減したいママ
- 授乳方法
- ママは横になり、胸の高さに赤ちゃんの頭がくるように、まっすぐに寝かせる
- ママと赤ちゃんはおなかを向かい合わせた状態を保ち、できるだけ密着する
- 空いている手で赤ちゃんの首や頭をやさしく支える
添え乳ができる期間に決まりはありませんが、夜中の授乳や寝かしつけが楽になるといったメリットがある反面、赤ちゃんを窒息させてしまうリスクもあります。 添え乳を行う場合は、以下の点に気を付けてください。
添え乳をするときの注意点
- 授乳場所は硬めの敷布団など赤ちゃんが沈みにくい寝具の上で行う
- 赤ちゃんの窒息を防ぐため、ママが眠ってしまうなどで赤ちゃんに覆いかぶさらないようする
- 飲み終わったら赤ちゃんを仰向けにして、窒息しない状態で寝かせる
母乳は一日に何回あげたらいい?
母乳が足りているかの目安
一日に飲む回数は赤ちゃんによって異なります。
そのため、母乳・ミルクの量は、回数より飲んだ全体量を中心にして考えるとよいでしょう。母乳が足りているかの目安は、次の赤ちゃんの様子がすべて当てはまればOKとされています。
- おしっこが1日6回以上出ている
- 顔色・機嫌がいい
- 体重が発育曲線の中に入っている
母乳が不足気味のサイン
母乳が不足気味のサインには、以下のようなものがあります。
- 授乳時間が30分以上かかり、赤ちゃんがなかなかおっぱいを離さない
- 授乳しても1時間ほどでまた欲しがって泣きだす
- 体重増加不良
- おしっこの量や回数が減る
- 便秘が続く、便が硬い
- 赤ちゃんが不機嫌
個人差があり、眠いときはずっとおっぱいを吸う赤ちゃんもいますし、暑い時期は汗をかくためおしっこの量が減ることもあります。
あくまで目安の一つとして参考にしてみてください。
母乳が飲めているか不安な場合は、授乳前後の赤ちゃんの体重から把握することもできます。母乳を与える前に赤ちゃん用のスケールで体重を測り、授乳後の体重を再び測って、授乳後から授乳前の体重を引いた数字を哺乳量とみなします。
授乳回数・間隔の目安
個人差はありますが、一般的な授乳回数や間隔は、以下を参考にしてみてください。あくまで目安であり、母乳については、欲しがるだけあげてよいとされています。
月齢 | 授乳回数 | 授乳間隔 |
---|---|---|
生後0か月 | 8~15回 | 1~2時間おき |
生後1~2か月 | 8回以上 | 2~3時間おき |
生後3~4か月 | 6~8回 | 2~3時間おき |
生後5~6か月 | 5~8回 | 3~4時間おき |
生後7~8か月 | 5~8回 | 3~4時間おき |
1~2歳 | 2~5回 | 3~4時間おき※ |
※1歳からは、欲しがらなければ与えなくてもよい |
赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激は、ママの体内のプロラクチンやオキシトシンと呼ばれるホルモンの分泌を向上させ、母乳を作る機能を高めます。母乳が安定して出るまでは、できる範囲で頻回授乳を心がけるとよいでしょう。赤ちゃんがうまくおっぱいを吸えないとき、搾乳して哺乳瓶で与える方法もあります。
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また、離乳食開始前までの赤ちゃんは、月齢が大きくなるにつれて飲む力がつき、1回で飲む量が増えるため、授乳回数が少なくなる傾向にあります。
母乳育児中の食事
脂質を控えて薄味を
授乳期間は、1日あたり通常時+350kcal程度のエネルギーを消費すると言われています。また、母乳は血液から作られるため、ママの食事が母乳の成分に影響し、ママの食べたもので母乳の味が変わると言われています。母乳育児中の食事は、脂質を控えて、薄味を心掛けましょう。また、水分もこまめに摂りましょう。

タバコ・アルコールは絶対ダメ!
妊娠中・授乳期の飲酒や喫煙・受動喫煙は赤ちゃんの成長や母乳に悪影響を及ぼします。ママ自身が禁酒・禁煙に努めるだけでなく、周囲にも協力してもらうようにしましょう。
母乳育児中の服薬
母乳育児中は、ママの摂取したものが母乳を通して赤ちゃんに影響を与えるため、薬も注意が必要です。体調不良などで薬を服用する場合は、授乳中でも問題ないか、必ず医師や薬剤師に確認してください。
母乳育児に関するQ&A
母乳外来ってなに?
「母乳外来」とは産婦人科や助産所などで行われている、助産師による乳房ケアや母乳育児のサポートのことです。母乳についてだけでなくその他の育児相談などにも応じてくれることが多いです。
母乳が出にくい、赤ちゃんがうまく母乳を飲んでくれないなどの母乳トラブルなどはもちろん、断乳・卒乳の進め方のサポートをしてくれることも。出産前に母乳外来のある産婦人科や助産所をチェックしておくのも良いでしょう。
母乳が出る量が減ってきたら、どうしたらいい?
母乳の出が良くない場合、その原因はさまざまです。理由に応じて対策をしましょう。
うまく授乳ができていない
- 乳頭に傷や痛みがある
- 授乳回数が少ない
- 授乳時間の制限などにより赤ちゃんが十分な量を飲み切れず、飲み残しがある
- 必要以上にミルクを足すことで授乳間隔が開きすぎる
上記のような理由で、赤ちゃんがうまく母乳を飲めずに母乳の分泌量が減ることがあります。乳頭に傷や痛みがあるときは、赤ちゃんに乳首を深く咥えさせることで痛みが軽減されることがありますので、試してみてください。混合育児で母乳の分泌量が減ったと感じたときは、一時的にミルクを減らして母乳中心にする、もしくは搾乳をしてみましょう。母乳は赤ちゃんに吸ってもらうことで分泌しやすくなりますので、しっかり吸ってもらえるように工夫してみてください。
疲れ、寝不足
ママの身体が疲れている場合にも、母乳の出が悪くなることがあります。産後は寝不足になりがちですので、家族にも協力してもらってしっかり休み、まずは体力を回復させて体調を整えましょう。
ストレス
ストレスも母乳の分泌に影響します。災害時など大きなストレスが掛かると母乳が止まることもあるのです。ストレスが溜まっていると感じた場合、解消することも大切です。
栄養や水分不足
母乳は血液からできています。また母乳には多くの栄養を含むことから、ママ自身の食事量や水分量が足りていないと、母乳の分泌量にも影響してしまいます。子育て中のママは食事もままならないかと思いますが、食事と水分はしっかり摂るようにしましょう。授乳中のママは食事量を減らすようなダイエットは避けましょう。

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身体の冷え、血流の悪さ
血流が悪いと、母乳にも影響します。身体を温めることはもちろん、温かいものを食べたり飲んだりすることで、身体の内側からも温めるようにしましょう。
母乳が出すぎる母乳分泌過多は、どうしたらいい?
母乳の分泌が多すぎることを、母乳分泌過多(ぼにゅうぶんぴつかた)と言います。産後1か月を大幅に過ぎても、おっぱいの張りや母乳の漏れが落ち着かない場合は、母乳分泌過多の可能性があります。これには大きく2つの要因が考えられます。
授乳方法の誤りや搾乳のし過ぎによるもの
例えば1回の授乳で、片方ずつじっくり授乳するのではなく、両方の乳房を短時間で切り替えて授乳したり、授乳後の乳房を空にしようとして更に搾乳したりすると、身体はおっぱいが足りないと判断して母乳を多く作ろうとします。これにより、母乳が作られすぎて、母乳分泌過多となることがあります。
ママの体質的によるもの
身体的な理由により母乳が多く作られ、母乳分泌過多が起こることもあります。片方ずつじっくり授乳したり、母乳の分泌を減らす対策をしても改善しないときは、乳腺炎などのトラブルにつながることもありますので、早めに母乳外来や産婦人科などの医療機関に相談しましょう。
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まとめ
母乳育児を長く続けていくには、乳房トラブルのケアやママの休息を意識していくとよいでしょう。また、ママの生活リズムや体調により、母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使う等、適した授乳方法を選択していきましょう。ママと赤ちゃんの大切なコミュニケーションとなる授乳の時間が、楽しいひとときでありますように!
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安田菜々子さん
子供だけどやってみたいねと思いました
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娘ちゃんおもろー🤣 笑笑笑
ナーイス‼️
あははははははは😂