- 対象期間
- 妊娠22週未満の妊婦
- 費用・価格
- 個別受診をすれば受診費用(数千円程度)
医師の判断により入院となれば、入院治療費用(保険適用)
マンガ「切迫流産」
切迫流産とは?
切迫流産(せっぱくりゅうざん)とは、妊娠22週未満で流産しかかっている状態のことをいいます。流産と聞くと驚いてしまいますが、妊娠は継続しています。ただし、通常より流産リスクが高い状態のため、注意が必要です。慌てずに医師の説明や指示をしっかり聞きましょう。
「切迫流産」と「流産」の違いは?
切迫流産とは
切迫流産は、妊娠22週未満で「流産しかかっている状態」のことを指します。流産との決定的な違いは、まだ妊娠が継続している状態であることです。腹痛の有無にかかわらず、少量の出血(ピンク色や茶褐色のおりもの)がある場合に診断されます。
流産とは
流産とは、22週未満で妊娠が終了してしまうことをいいます。
流産は妊娠全体の約15%に起きるといわれ、女性の年齢とともに自然流産率は上昇していきます。流産のうち、約90%が妊娠12週未満の早期流産といわれています。妊娠初期の流産の多くは染色体異常であり、受精卵自体の問題で(受精時には決まっていたこと)、母親側の問題ではないことがほとんどです。
切迫流産と切迫早産との違いは?
どちらの「切迫」も、「差しせまった」という意味になります。
切迫流産は妊娠22週未満で「流産しかかっている状態」のことを指し、切迫早産は妊娠22週から36週の間で「早産しかかっている状態」のことをいいます。
切迫流産の原因・対処法
切迫流産には、根本的な治療法や薬はありません。ほとんどの場合、安静にして経過観察することになります。また、妊娠12週未満か妊娠12週以降かによって、原因と対処が変わってきます。
妊娠12週未満の場合
主な原因
遺伝性疾患、先天性異常などのいわゆる染色体異常で、赤ちゃん側に原因があることが多いとされています。流産すると「早期流産」といわれます。
対処法
薬などの治療法はなく、安静にして経過観察をします。ただし、染色体異常の場合は受精した段階で運命が決まっていることが多く、流産への移行は防ぎにくいとされています。
妊娠12週以降の場合
主な原因
動きすぎ、子宮収縮、感染症、絨毛膜下血腫、絨毛膜羊膜炎、子宮筋腫などで、母親側に原因があることが多いとされています。流産すると「後期流産」といわれます。
対処法
医師の判断で薬が処方されることがありますが、流産を止める薬ではなく、対症療法です。安静にすることが最も重要とされていて、母親に原因があると考えられる場合は、適切な対処により妊娠継続できる可能性が十分あります。症状や、上の子のお世話などで自宅での療養ができない場合には、入院となる場合もあります。
処方される薬
症状に応じて、張り止め(子宮収縮抑制剤)、止血剤、ホルモン剤、抗生物質(感染が考えられる場合)などが処方されます。
自宅での絶対安静
切迫流産の程度によっては、基本的にトイレに行く以外は横になり、安静にするよう指示されます。お風呂もシャワーのみで、もちろん家事や仕事も出来ません。家事や育児はパートナーや家族にお願いし、仕事は母性健康管理指導事項連絡カードや医師からの診断書を出して休業することになります。
切迫流産の兆候・受診の目安
切迫流産の兆候
- 不正出血
- 下腹部痛
- おなかの張り
- 腰の痛み
このような症状があればすぐに受診を
妊娠初期に、おりものに血が混じる(ピンク色や茶褐色のおりもの)ことはよくありますが、以下の症状がある場合はすぐに受診しましょう。
- 少量でも鮮血(真っ赤な血)
- 出血が止まらない
- 強い腹痛がある
- 塊のようなものが出た
特に、生理よりも出血量が多いときや、腹痛がひどいときは、異所性妊娠(※)や進行流産の可能性があります。早急に受診しましょう。
また、転んだりぶつかったりなど外的な衝撃を受け、腹痛や出血があったときもすぐに受診するようにしましょう。
※異所性妊娠:受精卵が子宮内膜以外の場所に着床すること(以前は子宮外妊娠と呼ばれていた)
切迫流産のリスクが高まる場合
切迫流産は染色体異常など赤ちゃん側の原因であることがほとんどですが、それ以外でリスクの高まるのは、以下のようなケースです。
多胎妊娠(たたいにんしん)
双子以上の赤ちゃんを妊娠している場合
頸管無力症(けいかんむりょくしょう)
子宮の入り口が開きやすくなっている、子宮頸管が短くなっている場合
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮に腫瘍(良性)がある場合
子宮の炎症、感染症
子宮頸部に炎症を起こしている場合
動きすぎ
動きすぎにより子宮緊縮(おなかの張り)が起こる場合
切迫流産から流産への移行を予防するには
妊娠初期の流産は、受精卵の段階でその運命が決まっている場合がほとんどです。ですが、少しでもリスクを減らせるよう、特に妊娠12週以降においては日常生活から気を付けて過ごしましょう。
日常生活で意識すること
- 無理のない妊娠生活を送り、免疫力が下がらないように心がける
- 妊婦健診をきちんと受け、早期発見につなげる
- ウィルス感染への予防をする(むやみに人が多い場所に行かないなど)
- 膣からの感染症を防ぐため、外陰部は清潔に保つ(排便時は前から後ろにふく、温水洗浄器の使いすぎに注意する
- 飲酒や喫煙をしない
- 転倒などに気を付ける
お世話が必要な上の子がいる方や、働いている方は、無意識のうちに疲れが溜まっていることもあります。くれぐれも無理をしないよう心がけましょう。
それでも流産してしまったら
日本産科婦人科学会によると、全妊娠の15%程度が流産になっています。たとえ医師の指示に従い安静に過ごしていたとしても、残念ながら妊娠が継続できず、流産に移行してしまうことも珍しくありません。もし、切迫流産から流産になってしまった場合も、決して自分を責めないようにしてくださいね。
まとめ
切迫流産は誰にでも起こり得ることです。妊婦健診をしっかり受けること、ウイルス感染や膣経由の感染症予防を心掛けて過ごしましょう。 切迫流産と診断された場合は、症状に応じて適切に対処することで、正常妊娠に戻る場合もあります。医師から自宅安静を指示されたら、仕事は休み、パートナーや家族の助けを借りて、くれぐれも安静に過ごしましょう。上のお子さんがいる場合は、外部のサポートも上手に利用しながら、少しでも育児の負担を減らすようにしましょう。
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これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ
私、いつも叩かれて腕を掴んで叩けないようにしたら怒られて…仕返しされても何も手出ししないお姉さん凄いと思いました。
食べすぎは本当に本当によくないと思います。