イラスト・ずんこさん

マンガ「つわり」

つわりとは？

つわりとは、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、胃のムカつきなどの症状のこと。つわりがはじまるタイミングには個人差があります。

つわりの原因と症状は？

つわりの原因

つわりは、実は今も医学的な原因が特定できていません。妊娠初期の母体の急激な変化による自律神経の乱れや、妊娠をきっかけにした精神的ストレスの増加によるものと考えられています。

つわりの症状と種類

つわりは吐き気・嘔吐のほかにも、様々な症状があります。
ひとつの症状だけがあらわれる場合や、複数またはすべての症状に当てはまる場合など、あらわれ方には個人差があります。

吐きづわり

食べると吐いてしまう、一日を通して吐いてしまうタイプのつわりです。

匂いづわり

食べ物などの匂いに敏感になり、その匂いによって吐き気・嘔吐をもよおします。

食べづわり

空腹のときに症状が起きます。症状を抑えるために、食べ続けてしまう人もいます。

眠りづわり・寝づわり

眠気は妊娠初期症状の一つでもありますが、眠気が強くなるつわりも存在します。

その他のつわり症状

頭痛・唾液が多くなる・味の好みが変わる（嫌いなものが食べられるようになる等）・精神的な落ち込みが起きる場合もあります。

つわりはいつ始まる？いつ終わる？

つわりが始まる時期、終わる時期はいつ頃なのでしょうか。

つわりの時期

つわりは妊娠5週～15週頃に起きることが多いです。妊娠初期の一般的な症状のひとつで、妊婦さんの80%が経験すると言われています。中にはつわりを経験しない人もいて、程度にも個人差があります。また、同じ人でも第一子と第二子の時でそれぞれ症状が違う場合もあり、「第一子のときはつわりが酷かったが、第二子のときはほとんど感じなかった」などというケースもあります。

つわりのピーク

つわりの症状が酷くなるのは、一般的に妊娠8～10週頃と言われています。
多くの場合、ピークを過ぎると徐々に症状が落ち着いてくることが多いようです。

つわりの終わりは？

一般的に安定期と呼ばれる妊娠15〜16週ごろに、つわりの症状がスッと楽になったと感じる人が多いようです。ただし、つわりの期間にも個人差があり、16週以降も続く場合や、出産まで続いたという人もいます。

後期つわりが起こる人も

妊娠初期のつわりが落ち着いたと思っていたら、妊娠8か月頃にまた胃の不快感や吐き気などを感じる場合があります。これは一般的に「後期つわり」と呼ばれていますが、実は、初期のつわりと症状が似ているためにそう言われているだけで、医学的にはつわりとは言いません。妊娠後期のつわりに似た症状は、妊娠によるホルモンの影響で胃や腸の動きが低下したり、大きくなった子宮が胃腸を圧迫することで起こると言われています。

つわりの４つの対処法

つわりの原因が特定できていないために、残念ながら対処法は確立されていません。けれど、症状を軽減する対策はいくつかありますので、次の4つのポイントを参考にしてみてください。

対処法①無理せず休む

つわりの原因には身体的なもの・精神的なものが考えられています。まずは無理をしないことを心がけましょう。できるだけリラックスできる環境で心身を休めてください。また、気分転換をすることで楽になることもあるため、趣味に没頭する・部屋の換気をして空気を入れ替える・友人との会話を楽しむなど、リフレッシュできる機会を作ってみてください。

対処法②食事を工夫する

つわりは、食事習慣を工夫することで改善できる可能性があります。

好きなものを食べる

妊娠初期の食べ物については、赤ちゃんへの影響はあまり考えなくて大丈夫です。食べられそうなものを食べましょう。

少量をこまめに食べる

空腹が吐き気のきっかけになる場合があるため、少量をこまめに食べましょう。水分補給も忘れずに、カフェインを含まないものをこまめに飲むことをおすすめします。

冷ましたものを食べる

食べ物の匂いや湯気が吐き気を促す場合があるので、食事は冷ましたものがおすすめです。
飲みものを口に入れると吐き気が出る・嘔吐症状が強いなどの場合は、氷をゆっくり舐めることで水分補給ができます。

飴やタブレット・サプリメントで栄養補給する

食べ物を口にできない場合は、飴やタブレット・サプリメントで栄養補給する方法もあります。

対処法③家族に協力してもらう

吐き気・嘔吐などの症状に常に悩まされるのは心身にストレスがかかります。一緒に暮らすパートナーや家族には、自分の体調について伝え、掃除や洗濯、買い物などの家事は、積極的にサポートしてもらうようにしましょう。

対処法④仕事・職場で勤務形態を改善してもらう

仕事をしている方は、一日の疲労が溜まってきた夕方頃に症状が酷くなる場合があります。早朝から体調が優れない場合は仕事を休むようにし、出勤中はこまめに休憩をとる・早退するなど、つらい場合はがまんせずに休みましょう。
また、通勤緩和・休憩などの必要な措置を、母性健康管理指導事項連絡カードで勤務先に伝えることができます。

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つわりの時期を乗り切るおすすめグッズ

辛いつわりの時期を乗り切るために、おすすめのグッズをご紹介します。

ゆったりした下着・服

妊娠初期はまだおなかが大きくなっていませんが、身体を締め付けない下着やゆったりした服を着ることで、つわりの症状が緩和されることがあります。

ゼリータイプの飲料

つわりで食欲がないときや調理をしたくないときは、手軽に栄養補給ができるゼリータイプの飲料もおすすめです。

マウスウォッシュ・デンタルリンス

つわりがひどく歯磨きでえずいてしまうときや、口の中をさっぱりさせたい時にマウスウォッシュやデンタルリンスが活躍します。また、妊娠初期に多い歯周病や虫歯などの口腔内のトラブルの予防にも繋がります。

つわりが辛い時の受診目安

つわりは基本的に医療機関での特別な治療は必要ありませんが、あまりに症状が重く日常生活に支障が出る場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。

こんなつわりの症状には要注意！

• 1日に5回以上吐く、ほぼ毎日吐く
• 水分が飲めなくなる
• 体重が5％以上減る
• 発熱、頭痛、ぼーっとする

通常のつわりとは異なり、つわりが重症化した状態を「妊娠悪阻（にんしんおそ）」と言います。妊娠悪阻の場合は原則として入院治療が必要になります。自分では判断が難しいため、遠慮せず医師に相談しましょう。重症化を未然に防ぐことができます。

まとめ

妊娠が分かったと思ったら、次につわりが始まります。一時的なものだとわかっていても、常に具合が悪い状態が続くと、かなりつらいですよね。対策をとりながら、しんどいときは我慢せずに休息を取りつつ乗り切っていきましょう。あまりにも症状がひどい場合には、受診して医師に相談するようにしてくださいね。