B型肝炎ワクチンの予防接種スケジュールは?いつから打てる?【保健師監修】
びーがたかんえんわくちん
公開日 2023.05.17
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イラスト・ずんこさん
ずんこさん
対象期間
生後2か月~1歳になるまで合計3回
費用・価格
定期接種の場合は無料/任意接種の場合は全額自己負担
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスの感染を予防します。生後すぐから接種でき、生後2か月から全3回、定期接種することが推奨されています。B型肝炎ワクチンの概要、ワクチンの種類、接種時期、接種対象、接種回数についてご紹介します。【保健師監修】【マンガ解説】

マンガ「B型肝炎」

B型肝炎の予防接種は生後すぐに必要であることを説明するおまめちゃんの漫画イラスト妊娠中のB型肝炎ウイルスの母子感染は現在はほとんどないことを説明するおまめちゃんの漫画イラストB型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する可能性のある病気を説明するおまめちゃんの漫画イラストB型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する可能性のある病気を説明するおまめちゃんの漫画イラスト赤ちゃんのB型肝炎ワクチン接種のスケジュールを説明するおまめちゃんの漫画イラストB型肝炎ワクチンは世界初のがん予防ワクチンであることを説明するおまめちゃんの漫画イラストB型肝炎の予防の重要性について説明するおまめちゃんの漫画イラスト

B型肝炎ワクチンとは?

B型肝炎ワクチンとは、B型肝炎の予防、B型肝炎ウイルス母子感染の予防などのためのワクチンです。日本では2016年10月から定期接種になっています。予防接種を受けることによりB型肝炎ウイルスに対する抗体ができ、かかりにくくなります。B型肝炎を予防することは肝臓がんを予防することにもなるため、世界で初めてのがん予防ワクチンでもあります。

B型肝炎ワクチン接種の費用

定期接種の期間中は無料で受けられます。それ以外の期間は任意接種となり、全額自己負担で接種することになります。母親がB型肝炎キャリアの場合は、生後すぐからのB型肝炎予防の免疫グロブリンの接種と生後2か月からのワクチンが必要です(健康保険適用)。

※キャリア:ウイルスを体内に持っているが発病していない状態

B型肝炎ワクチンの接種時期・スケジュール

妊娠中の検査により、母親がB型肝炎のキャリアであることがわかった場合は、生後すぐにB型肝炎予防の免疫グロブリンの接種と生後2か月からのワクチンが必要です。母親がB型肝炎のキャリアでない場合は、1歳になる前に3回接種します。標準的なスケジュールでは、生後2か月から4週間隔で2回、さらに1回目の接種から20週以上経ってから1回の計3回接種します。

ワクチンの種類・接種方法

B型肝炎ワクチンの種類は不活化ワクチンで、接種は通常、皮下注射で行なわれます。

同時接種できるワクチン

B型肝炎ワクチンと同時接種できるワクチンの組み合わせや本数に制限はありませんが、スケジュール上、同時接種しやすいのは次のワクチンです。

副反応

B型肝炎ワクチンの主な接種部位の副反応として、注射部位の発赤・硬結(しこり)・腫脹(はれ)などがあり、注射部位以外の副反応として発熱、刺激に反応しやすくなることがあります。極めてまれに、アナフィラキシー様症状(接種後30分以内に出現する呼吸困難や重いアレルギー反応のこと)、急性散在性脳脊髄炎などの重い病気にかかることがあると言われています。

B型肝炎とは?

B型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する可能性のある病気を説明するおまめちゃんの漫画イラスト

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染により起こる病気です。B型肝炎には「慢性B型肝炎」と「急性B型肝炎」の2種類があります。急性肝炎を発症した場合は倦怠感・発熱・黄疸などがみられ、まれですが、重症化して死亡することもあります。急性肝炎の多くは治癒しますが、10~15%は慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行します。

B型肝炎の原因と感染経路

B型肝炎の原因となる病原体は「B型肝炎ウイルス(HBV)」で、主な原因と感染経路は以下の通りです。

  • キャリアの母親からの垂直感染(母子感染)
  • 家庭内(歯ブラシやカミソリの共用)、保育園などでの水平感染(人同士による接触、飛沫、空気、媒介物による感染)
  • 性行為による感染

5歳未満の乳幼児期に気をつけたい理由

B型肝炎ウイルスは、5歳未満で感染するとウイルスのキャリアになる率が高く、将来、慢性肝炎・肝硬変・肝がんになる可能性があります。また、キャリアになりやすいタイプ(遺伝子型A)のB型肝炎が日本でも広がっています。知らない間にキャリアになった家族などから子どもへの感染もめずらしくありません。

まとめ

B型肝炎ワクチンは、慢性肝炎、肝硬変を予防できるだけでなく、がんも予防できるため、積極的に接種を検討したいワクチンです。定期接種は生後2か月から始まり、1歳になる前に3回接種することが望ましいです。他の予防接種との同時接種もできますので、スケジュールを確認し、計画的に予防接種を進めましょう。


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保健師・SHIHOさん
保健師・SHIHO
10年以上にわたり自治体保健師として感染症や母子保健などの業務に従事し、多くの住民に寄り添い支援を行う。他にも、病院看護師としての臨床経験や学校保健師としての業務経験など、幅広く公衆衛生に従事する経験を持つ。現在、一人娘を育てながら、ICTを使ってより多くの人々の健康支援に寄与できるよう、育児コラムの編集・監修などにも活動を広げている。趣味は映画鑑賞。
ずんこさん
ずんこ
タイ在住の日本人漫画家、イラストレーター。 日本でマンガ家アシスタントなどを経験後、シンガポールのローカルアートスクールにてマンガの描き方を教える。現在はタイ・バンコクを拠点にマンガ・イラストの制作をしている。他にも、シンガポールやベトナムのイベントに、マンガ風似顔絵ブースで参加をするなど、マンガを通してさまざまな人達と交流していきたいと活動を広げている。
参考文献
日本小児学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 」
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=138 (最終閲覧:2023.04.30)