- 対象期間
- 生後9か月〜11か月頃
マンガ「離乳食 後期」
離乳食後期:カミカミ期(生後9か月~11か月頃)
離乳食を与える時期は大きく初期・中期・後期・完了期の4つに分けられ、離乳食後期は「カミカミ期」とも呼ばれています。舌の動きは前後・上下に加えて、左右にも動くようになってきます。また、お口も咀嚼(そしゃく)運動ができるようになる時期です。
離乳食後期の目安
離乳食後期は、生後9〜11か月頃。食事回数が1日3回に増え、食べられる食品の種類や量がぐっと増えます。歯ぐきでつぶせる程度のかたさの食材が食べられるように、あごの力をつけていきましょう。手づかみにも興味を示しはじめる時期なので、手で持てるように形を工夫するのもおすすめ。食べ物の固さの目安は、バナナのように指でつぶせるくらいです。また、鉄分が不足しやすいため、赤身の肉や魚を使ったレシピを取り入れるとよいでしょう。
離乳食後期(カミカミ期)の進め方は?
離乳食後期のポイント
離乳後期は、順調であれば食事回数を3回に増やしていく時期です。朝・昼・晩の食事リズムを大切にして、可能な限り家族で食卓を囲み、食事の時間を楽しいものにしてあげましょう。 この頃は、歯ぐきで噛むことを目標に練習していきます。歯が生えているかどうかは気にしなくても大丈夫。噛む場所は歯ぐきなので、どんどんトライしていきましょう。これから生えてくる乳歯への刺激にもなりますよ。また、手づかみ食べ・遊び食べが始まり、味覚が発達する時期でもあるため、いろいろな味付けにも挑戦してみましょう。
食事内容の目安
食事が1日3回になるので、大人と同じ時間に食べるリズムを付けるといいでしょう。ただし、大人と一緒だと準備や片付けが大変という場合は、無理のない範囲で、少しずらしても問題ありません。毎日できるだけ同じ時間帯に食べさせるのがおすすめです。
- 食事回数
- 3回食
- 調理形態
- 歯ぐきでつぶせる程度の固さ(バナナくらい)
調理のポイント
赤ちゃんが丸飲みしないように気を付けながら、お口の中で食べものを潰そうとする動きをしているか観察し、調理のしかたを調整しましょう。また、風味付け程度に、少量のしょうゆや味噌、ケチャップなどを加えてもOK。マンネリになりやすい離乳食に変化をつけることができます。
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食べさせ方
スプーンで食べる食事のほかに、赤ちゃんが手に持てる食材も用意してあげるといいでしょう。手づかみ食べは、赤ちゃんが自分の手で食材の感触を確かめ、覚えようとするために行います。自分から興味のある食事を選んで食べていくことで、食事への意欲が高まります。
ママやパパは、基本的に赤ちゃんの食べる動作を見守り、都度スプーンなどで口に運んであげるなどのサポートを。赤ちゃんの姿勢は、やや前傾になってテーブルに届く程度にチェアの位置を調整しましょう。
「手で食べ物をつかむ」
この動作ひとつでも、力加減の調整は食材によって難しいもの。失敗の連続ですが、どうやったら上手にもてるかな?と一緒に考えてあげましょう。
「つかんだものを口に運ぶ」
まだ肘を引くという動作が難しいため、お口を手元に近づける動作がみられる時期です。つかんだ食べ物をお口にスマートに持っていくには、肘の使い方がポイント。ついベビーチェアとテーブルを近付けがちですが、肘を手元に引くスペースが保たれているかチェックを。肘を引く動きを補助してあげると、お口元に運びやすいですよ。
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すべて手づかみ食べさせたほうがいい?
手づかみ食べ用のメニューは、まずは1品でもあればOK!この時期になると「赤ちゃんにはすべて手づかみさせないと!」と、がんばってしまうママやパパもいますが、全部を手づかみ用の離乳食にすると、完食させようと食事時間が長引き、それがお悩みに発展することも。手づかみに関する関心度も赤ちゃんそれぞれ個性があります。ママやパパは窒息や誤嚥(ごえん)に注意しながら、見守る姿勢でそっと応援してあげましょう。
ママやパパは赤ちゃんにとって最高の教科書
大人が食事をしているところも、たくさん見せてあげましょう。ママやパパはどうやって食べてるのかな?という関心から動作を学んでいきます。また、食事をあげているときに一緒になってお口をもぐもぐしてみましょう。真似するところから咀嚼(そしゃく)の練習が進みます。
母乳やミルクは?
離乳食をしっかり食べられるようになると、食後の授乳量は少しずつ減っていき、栄養も離乳食から摂れるようになってきます。この頃の赤ちゃんは乳汁と離乳食の栄養摂取配分に個人差がでてきやすいです。どちらも赤ちゃんの成長・発達に必要な栄養。定期的に体重を計測して、栄養が足りているか意識しましょう。
離乳食後期におすすめの食材
離乳食後期では、噛む力がアップするので、赤身の肉や魚などもチャレンジしていくとよいでしょう。離乳食からもしっかり栄養を得られるように調理を工夫をし、食べられる食材を増やしていきましょう。
主食(メインのエネルギー源になるもの)
おかゆ、パン、麺類
離乳食後期も、引き続き消化しやすい食材を与えます。
お米は、全がゆなら1食90gくらいを食べさせるといいでしょう。噛む力がついてきているので、やわらかく炊いた軟飯(米:水=1:2〜3程度)を、1食80gくらいでもOKです。
うどんは、調理もしやすく、大人の食事から取り分けて使うことができる人気の離乳食です。離乳食のうどんは、包丁や麺カッターなどで1cmくらいにカットを。慣れてきたら、徐々に1~2cmにカットして調整していきましょう。
パンは、おかゆに比べて手元が汚れにくい主食なので、手づかみ食べにおすすめです。ただし、まだ「ひとくちサイズ」の感覚は習得していない時期なので、お口に入れた後、喉に詰まらせるおそれがあります。食べさせる時はひとりにせず、見守りながら与えるとよいでしょう。
主菜(主にタンパク質を多く含むもの)
赤身の肉や魚(豚や牛の赤身肉、鶏レバー、サンマ、いわし、あじなど)
中期までに食べてきた食材に加え、鉄分も一緒にとれる赤身魚やお肉などを進めてきましょう。肉を選ぶ際には、脂質の少ない部位がおすすめですが、加熱すると食感が固くなるため、食べにくければ赤身のひき肉を用意してもいいでしょう。また、レバーはベビーフードなどで使いやすく加工されているものを活用しても。
魚は、大人が食べるお刺身(まぐろやかつお等)を一切れとって加熱してあげると、骨の心配もなく使いやすいです。なお、アジやサンマなどの青魚にもトライすると、DHAやn-3系脂肪酸といった栄養を摂るチャンスに。食べられる種類が増えると、栄養バランスがとりやすくなりますよ。
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全卵、マヨネーズ
離乳食中期で食べた卵黄が問題なければ、全卵を1日あたり1/2程度まで食べさせてみましょう。アレルギーを心配して、ゆで卵から進めないという声がよく聞かれますが、少量から全卵を使うメニューにチャレンジしてもOK。中期にご紹介した卵黄のみの錦糸卵を、全卵で作ってみるのもいいですね。なお、少量であればマヨネーズも調理に利用できるようになります。
副菜(野菜・いも類・きのこ類・果物など)
きゅうり、アボカド、かぼちゃ、にんじん、じゃがいも、さつまいも、小松菜、ほうれん草、トマト、ブロッコリー、いちご、バナナ、りんごなど
この頃には、ほとんどの野菜類を使うことができます。1食30〜40gを目安に、やわらかく煮たものを適切な形に刻んで食べさせましょう。スティック状にカットすれば、手づかみ食べにも適しています。
野菜の種類がなかなか増えない、調理が負担と感じる場合には、市販の冷凍食品を使うのもありですね。だし汁で茹でたり、少量の調味料を使ったりしながら、食べられる量や数を増やしていきたいものです。
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離乳食後期に役立つおすすめグッズ
離乳後期におすすめの調理器具や食器
製氷皿、フリージングトレー
離乳食は、作り置きしておくと時間のない時でもすぐに食事を用意できます。
製氷皿などの清潔な容器に小分けにして冷凍し、凍ったら製氷皿から外して、ジッパー付き保存袋などにまとめて入れて冷凍保存しておきます。使う時に必要分だけ取り出して利用することができるので便利です。
1〜2週間を目安に使い切りましょう。
解凍の際は中心まで加熱されているか確認します。加熱ムラがないかチェックし、人肌程度に冷ましてからあげましょう。
小1個(5g) | 約20秒 |
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1個(10g) | 約20秒 |
2個(20g) | 約40秒 |
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麺カッター
うどんなどの麺類は細かく刻んで食べさせますが、麺カッターがあればお鍋や食器の中でも手軽にカットができ、包丁とまな板が不要なのでとても便利です。長さを均一にカットできるタイプもあります。かさばらないサイズの商品が多いので、持ち運びもしやすい優れもの。100円ショップでも取り扱っている場合もあるので、入手しやすいグッズです。
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おにぎりボール
手づかみ用のおにぎりをつくるときに重宝します。作っているところをみせてあげるのも楽しいでしょう。100円ショップでも取り扱っている場合があるので、入手しやすいグッズです。
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レック アンパンマン フルフル おにぎりメーカー
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焼きのり用ローラー
海苔を好む赤ちゃんにおすすめのグッズです。海苔はそのままあげてしまうと口の中で張り付きやすく、窒息の心配があるため、海苔をちぎりやすくするローラーを安全グッズとして用意しておくといいでしょう。100円ショップでも取り扱っている場合があるので、入手しやすいグッズです。
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アーネスト 弁当 海苔 おにぎり パリパリ のり切り隊
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子ども用プレート、トレー
手づかみ食べは、赤ちゃんが興味のわいた食べ物から手を伸ばして食べさせるのがポイント。割れにくい素材のプレートやトレーにすべての食事を盛り付けて、食卓に出してあげるのもおすすめです。
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食事用エプロン、スタイ
手づかみ食べが始まったばかりで、まだ自分でつかんだものを上手に口に運ぶことができない赤ちゃんには、食事用エプロンやスタイが大活躍。食べこぼしをキャッチするポケットや袖まであるエプロンも役立ちます。外出時はかさばらず使い捨てできる紙エプロンもおすすめ。
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小さなボウル
手づかみ食べで手が汚れた時に、サッと洗うフィンガーボウルのような役割のボウルがあると便利です。赤ちゃんの手が入るサイズのものであれば、なんでも構いません。ふきんだときれいに拭き取れない時などに役立ちますよ。
離乳食後期に気を付けるポイント
遊び食べばかりで食事が進まないこともあります
離乳食の手づかみ食べをさせてみたら、口に入れずに遊んだり、投げたり落としたり…などの、赤ちゃんの「遊び食べ」に悩むことも多くなります。
遊び食べは発達段階でみれば自然なことで、成長の証。食事に集中できる環境を整えたり、汚れをなるべく防ぐ対策をしたり、片付けが楽になる工夫をしたりなど、大人がストレスにならないように対策をしながら進めていってくださいね。
遊び食べの対策
食事の時、床に新聞紙や米袋、レジャーシートなどを敷いておくのもよいでしょう。食べ物を投げたりした時に、強く反応しないことも意識しましょう。ママやパパの反応(キャー!ワー!など)が強いと、逆に面白がって続けてしまうことも…。
3回食は適度に力を抜いて進めましょう
3回食は、親子それぞれ苦痛になりすぎないように力をぬいて臨みましょう。この時期になると食事からの栄養量が増す時期なので、「量を食べさせなきゃ」「手づかみ食べさせなきゃ」「鉄分を意識して必ずお肉を取り入れなきゃ」など、ママやパパがつい頑張りすぎる傾向に。3回食べさせるだけでヘトヘト…と、音を上げることが多いです。
まだ寝ぼけ眼の中で体がしっかり起きていないときだったり、楽しく遊んでいる最中に急に椅子に座らされて食べましょうと促されたりしても、食事を食べる気持ちに切り替えることが難しいこともあるでしょう。「ごはんよ〜」の声がけのあとの赤ちゃんの様子をよく観察しながら、食事の時間が生活リズムのひとつとして認識できるように整えてみてくださいね。
味付けは風味付け程度から
後期になると、最後の仕上げに少量ずつ、調味料を使った離乳食作りでメニューのマンネリ化を防ぐことができます。少量の油で「焼く」という調理をすることで、茹でただけよりも風味がよくなったり、手づかみに向くアレンジにもなります。また、苦手と思っていた野菜類の食べがよくなることも。素材の味を大切にするのも重要ですが、食べる量をしっかり増やすためにも試してみましょう。赤ちゃん用の製品を使用するのもひとつですが、家庭の調味料でも十分です。バランスよく食べる練習のためにも、上手に活用してみましょう。
赤ちゃんの体調や様子を見て食べさせましょう
赤ちゃんが離乳食を食べたことで、体調に異変が起こる可能性もあります。特に初めての食材を与えるときは、赤ちゃんの体調がよい時に、必ず少量から始めて様子を見ましょう。平日の日中など、病院が開いている時間帯に試すと、万が一何かあったときにすぐ受診できるのでおすすめです。
アレルギー食材に注意しましょう
卵のように調理形態がかわることによって、アレルギーを発症するケースもあります。ですが、必要以上に怖がらずどんどん次の段階に進む勇気も持ちましょう。心配であれば、自己判断で遅らせず、医療機関を受診して相談しましょう。
まとめ
離乳は子どもの成長を見ながら、子どもの個性に合わせて進めることが大切です。離乳食後期の生後9〜11か月頃は、食事への興味がどんどん高まってきています。栄養バランスはもちろんですが、家族みんなで食卓を囲んで、子どもに食事の楽しさを教えてあげられるといいですね。
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- 離乳食とは、それまで母乳や粉ミルクなどを飲んでいた赤ちゃんが、食事から栄養を摂れるようになるために練習する食事のことです。初めての育児では特に、いつから離乳食を食べさせるといいのか、どのように進めた…
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他のマンガにもコメントが届いています。
これで安全に支障がでたら、どうするつもりなんだろうね国は、従来の10歳まででいいよ
私、いつも叩かれて腕を掴んで叩けないようにしたら怒られて…仕返しされても何も手出ししないお姉さん凄いと思いました。
食べすぎは本当に本当によくないと思います。