お悩み投稿
ノラさん・30代前半
お子さん
長女2歳半
今回のお悩み

癇癪を起こす子

2歳半の娘は、癇癪(かんしゃく)持ちです。地雷を踏むと、泣いて叫んで転がって大暴れします。その地雷は、親が全く想像しないような、本当に小さく細かいところにあったりするので、事前に予測することが難しいです。あの手この手で落ち着かせようとしても、まったく耳に届いていない様子で、一度気に入らないと感じたことを思い出させると、さらにヒートアップしてしまいます。落ち着くまで待ってから話をするようにしても、その「待っている間」が地獄です。 家の中ならまだしも、外で人の目がある場合は本当に辛いです。

2019.05.15
Q
子どもが癇癪を起こしたら、どう対処したらよいでしょうか?
A
子どもの気持ちに共感し、今いる場所から移動して落ち着くのを待とう!

2歳の子どもはどこか、活火山に似ています。エネルギーに溢れているのだけれど、積み重なった不満や欲求が一度大爆発すると、その対応になかなか(いや、かなり。笑)困ってしまうところなんて、そっくりですよね。


子どもたちの心の中には「言いたいことが上手く伝えられない」「やりたいことが思うようにできない」「やりたいことを誰かに先にやられてしまった」「自分なりの手順で進めたいのに邪魔された」「自分を見てほしい」などなど、いろいろな気持ちが渦巻いています。

そして、その噴火のきっかけの一つひとつは大人からすると大したことない理由に思えますが、子どもからすると大問題なことが多くて、大噴火! ひとたび噴火してしまうとマグマは流出するわ、熱いわ、焼けるわで、周りの住人(主に親)は本当に大変ですよね……。

癇癪を鎮める対応その①
子どもへの共感を伝えて、落ち着くのをひたすら待つ!

ここで考えてみてほしいのです。噴火中の火山を途中で止めるのはかなり難しいです。というか、ほぼほぼ無理に近いわけです。なので、噴火してしまったのなら、極論ですが落ち着くのを待つしかありません。マグマ噴火中にどんなにこちらが心を砕いて共感したり、諭したりしても、火山の前ではそれはジョウロの水くらいの存在にしかならないことが多いからです(もちろん成功することもあるので、どんな時もまずは共感から入ってみてください)。

癇癪を鎮める対応その②
その場から離れ、違う場所に移動する!

共感したり、代案を出してもダメ、「ほら、鳩さんだー!」と気をそらすのもダメ。 そんな時どうしたら落ち着かせられるか、というと、私は「抱っこしてその場を移動する」に尽きると思っています。


場所が変われば、景色が変わります。流れる空気も変わります。私たち親も少し気分が変わります。そんなふうに噴火材料のあった場所から離れることで、その場にずっと居続けるよりも断然早く、子どもは気持ちを切り替えられるようになります。

そして、もし時間に余裕があるなら、もう一度やりたかったことのやり直しをさせてあげるのもいいですし、
「本当は〜をやりたかったんだよね?」
と気持ちに共感したり、その気持ちを代弁したり、
「今日は〜だからできないけど、また今度やろうね」
と、させてあげられない理由をきちんと説明したり、子どもが前向きになれるような約束をしてあげてください。この時の約束を守ることを親も忘れずに。

とはいえ、ご相談者さんは、待っている間も地獄だと感じておられるので(ですよね!笑)、その場合は噴火をいかに鎮火させるかにエネルギーを注ぐよりも、火山が爆発するのをなるべく少なくすることができたら、ママの心理的負担が減っていいのかなと思います。

癇癪を鎮める対応その③
事前に癇癪のキッカケを排除する!

些細なことすぎて見落としてしまいがちですが、子どもが噴火に至ったキッカケ(地雷)は必ずあります。もしかしたらそれは単純に一つではなくて、それまで積み重なった不満かもしれませんが、どちらにしてもその地雷を踏んでしまう回数を減らしていけたら、こちらも余裕を持って対応できるようになります。
そのためには、子どもに「自分でやる? ママがやる?」など、「うん」「ううん」で答えられるような質問をこまめにしてみてください。質問を繰り返すうちにその子の地雷のポイントが見えてくるかもしれません。 他にも
「こっちと、こっちだったらどっちがいい?」 のように、子どもにさまざまな選択肢や決定権を持たせてあげるのも効果的。子どもは自分の意見を尊重してもらい、やりたいことをやり抜くことで達成感や満足感を得たりします。

ママが自分の意見に耳を傾け尊重してくれているという事実は、子どもの気持ちを少しずつ落ち着かせていくのです。
子どもに「決める喜び」「選べる喜び」「やりたいことを達成できる喜び」を渡してあげることで、ささいなことでの大爆発を、少しずつ減らしていくことができると思いますよ。

LICOママさん
「魔の2歳」とも言われるイヤイヤ期。0~5歳の子どもを育てている全国のママを対象としたアンケート調査(※)によると、2人に1人は1歳半にイヤイヤ期がスタートし、2歳頃にピークを迎えるという結果があります。子どものイヤイヤ期や癇癪は、一時的な成長過程と言えるようですが、毎日対応しているママ・パパにとってはかなりストレスフルなものです。LICOさんのお話であったように、子どもの癇癪を火山に置き換えて考えてみると非常にわかりやすく、なんだかとてもしっくりきて納得がいきませんか? 一度噴火した火山はちょっとやそっとのことでは止められない、と、いい意味で諦めがつくようにもなるかもしれません。日頃から子どもに決定権を持たせる工夫も、癇癪を予防することができ、また子どもの自立心も育むことができそうです。ぜひ皆さんもお試しくださいね!
(※)出典元:
博報堂広報室.こそだて家族研究所✕Pechat.「イヤイヤ実態調査 第一弾の結果を発表」
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2018/01/20180118.pdf, 2019年5月9日最終閲覧)
(こそだてDAYSママスタッフ)
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LICO(リコ)
作家/子育てアドバイザー
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40,000 人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120 万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 4人の子どもを育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。
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