ここ数年で父親の育児参加が増えてきている傾向にあり「イクメン」という言葉も誕生しましたが、現状はどうでしょうか。嶋津さんとLICOさんにお話を伺いました。

2017.12.20
第8回

パパに伝わる伝え方を

LICO
前回のお話(第7回 子どもはちゃんとわかっている)でもありましたが、主体的に動いてくれるパパはまだ多いとはいえないのかもしれません。
嶋津
そうかもしれませんね。育児に関してパパからママへ「手伝おうか」という発言を聞くこともありますが、ママからしたら、この発言ちょっと違和感を感じませんか?
嶋津
自分がやらなければならないことであれば「手伝う」という言葉は出ないですよね。無意識のうちに、育児について自分はサブだという感覚があるから、そういう言葉が出てしまうではないでしょうか。
LICO
これ言ったら怒られそうなんですけども、上手な伝え方としては、こちらから、パパも子どもだと思って伝えるといいのかなと思っています。
LICO
下に見るとかそういうことではなくて、子どもには、ちょっとしたことであっても「ありがとう」「助かったよ」と伝えることが多いかなと思うのですが、パパにも同じようにきちんと言葉にして伝えるっていうことです。私自身も普段から気をつけています。
嶋津
そういう風に言ってもらえると、嬉しいパパは多いかもしれませんね。何かお願いされても、「うんOK!」というような感じになりそうですね(笑)。
LICO
なるべくお互いの存在に感謝しあえる関係がいいなぁって思っているので、なんてことないときでも、「ありがとう」はきちんと言うようにしています。お互いなんか疲れたなっていうときは、家に帰ってきたときに「お疲れ様」ってハグしたり。
嶋津
ラブラブじゃないですか~(笑)。
LICO
(^^)(笑)。そういうコミュニケーション、やり取りって大事だなって思いますね。
嶋津
僕もセミナーでよくお話していることがあります。たとえば台所でママが食事を作っていて、リビングでパパがソファーに寝っ転がってテレビ見ているとします。その横で、子どもがギャンギャン泣いているとします。
嶋津
その状況を見て、ママはすでにイラっとしているのですが、その時に旦那さんに対して「ちょっと!子どもが目の前で泣いているんだから、少しは面倒見てよ!」と言った瞬間に、パパは「めんどくさいなぁ」とか「しょうがないなぁ」という気持ちになることが多いです。
嶋津
そこで、LICOさんが仰ったように、笑顔で優しく「泣いてるからちょっとあやしてもらっていい?」という言い方をするだけで「おう、いいよいいよ」ってなったりします。そういうタイプのパパが実はたくさんいると思います(笑)。
LICO
言葉を変えるっていうことですよね。
嶋津
そうです。少し面倒だと思っても丁寧な言葉に変えてみるんです。
LICO
ママの中には結構「私そういうキャラじゃないから」とか「今さらそういうの恥ずかしくて言えないから」っておっしゃる方がいます。そんなときには「もし、今の現状を変えたいのであれば、なにかを変えていかないと、打破できませんよ」とお伝えしています。
嶋津
相手は変えられないから、自分を変えるんですね。
LICO
そうです。自分は変えたくないけれど相手は変わってほしいというのは無理なお願いごとですよね。本当に何か変えたいことがあるなら、恥ずかしくても照れくさくても、ちょっとぐっとこらえて女優になったつもりになる。やってみると何か変わるかもしれませんよって、お伝えしています。
嶋津
女優に、ですね。
LICO
恥ずかしさを乗り越えてやってみると、相手から好ましい反応が返ってきて、自分も穏やかになり相手との関係がよりよくなっていくんです。いいことが起こるってわかると、自分の中でも成功体験として残るので、強化されていくのかなと思うんです。癖になるまでやり続けるというのも大事かもしれないですね。
嶋津
ある意味ママは大変ですけどね。
LICO
自分のことをやってくれないっていうような、子どもみたいなパパだと困っちゃうんですけど、言葉かけとして、大事に物事を伝えるようにしています。
嶋津
子どもだろうが大人だろうが、一人の人間として接するっていう気持ちがないとダメですよね。
LICO
相手もわかりますもんね。自分のことをきちんと敬って扱ってくれているのか、下に見ているのか。
インタビュアー:吉満明子(株式会社センジュ出版)
撮影:大崎聡(株式会社Shin irai)
子どもに接するのと同じように、パパにも想いやりを持って伝えることが大切、というお話でした。
(こそだてDAYSママスタッフ)
嶋津良智
アンガーマネジメントアドバイザー
日本リーダーズ学会代表理事、上司学のプロフェッショナルとして、今メディアでも大注目の“感情&行動コントロール” メソッド。 『イラオコダイエット』の開発者。国内、海外で講演・企業研修・コンサルティングをおこない、メディアにも多数出演。 多くの子育て中のママからイライラを救っている。 シリーズ100 万部のベストセラー『怒らない技術』をはじめ『子どもが変わる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、 『7 日間イラオコダイエット』(EVO 出版)など、著書累計は26 冊で140 万部を超える。
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「イラオコは減らせる! 」を合言葉に、感情のコントロール自分の「イラオコ」との向き合い方を楽しくレクチャー。 今までの本では普通のママには理解が難しかった怒らない技術を、誰でも簡単にチャレンジできるようにし、日本の育児をもっと楽しく、ラクにしていきます!
LICO(リコ)
作家/子育てアドバイザー
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40,000 人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120 万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 4人の子どもを育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。
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